ニオイフェチ
「ニオイフェチ」なる人が、男女を問わず存在することは、割とよく知られています。
文字通り、ニオイに対するフェチ、すなわち、ニオイというものに対して特に魅力を感じてしまうような嗜好や性癖を持つ人のことです。フェチという言葉については、「偏執的とまではいかない比較的軽度の執着」といった表現をすることもあるようです。
多くの場合は、例えば異性のいいニオイ(シャンプーやせっけんの香りなど)に惹かれたり、洗濯物の柔軟剤のニオイがたまらなく好きだったり、といった程度のもの。また、特に女性はニオイに敏感で、日常生活内のあらゆる場面において、ニオイが感情や印象を左右する重要なファクターとなる傾向にありますが、そんな女性の20%程度が、実はニオイフェチであることを自覚しているといったデータもあるようです。
ただ、それが度を越してしまうと、他の人が顔をしかめたくなるくらいの少々過激なニオイフェチになってしまうことも。例えばニオイフェチの一つ、人の「体臭フェチ」というのは、今やそれほど稀有という訳ではないのですが、それがエスカレートして、街中を歩いている際に自分の気に入った体臭がする人を見つけると、しばらく後を追ってしまうという人もいるようです。しかも、その最中ずっと、常にニオイを感じられるようにかなり近距離にいるという・・・。これ、一歩間違えればストーカーですから(笑・・・いや、笑い事ではありませんね)。
「感情や記憶との繋がり」のページでも触れた通り、ニオイというものは感情や記憶との強い関連性が認められ、「最も感情を刺激するもの」とも言われているくらいですから、ニオイフェチが決して悪いことであるとは思いません。言い換えればもしかしたら、程度の差こそあれ、全ての人がそういった(ニオイフェチの)要素があるのかもしれません。とはいえ、気に入った体臭の人(もちろん見ず知らずの人)を近距離で追いかけてしまうまでとなると、ちょっと行き過ぎなのかもしれません。何事も程度というものがあり、許容される度合いがある、ということですね。