寝起きは臭い？
モーニングブレスといって、朝起きた時は、口臭が起こりやすいものです。また、普段は体臭の悩みがない人であっても、朝起きた時だけは、自分の体臭が気になるという方も多いようです。
一般的にも「寝起きは臭い」などと言われることが多いのですが、それは本当なのでしょうか？そしてそうだとしたら、それはいったい、何故なのでしょうか？
まず、口臭ですが、朝に限らず、虫歯や歯周病などがあると、口臭が発生することはよく知られています。
虫歯は、ミュータンス菌と呼ばれる菌が原因で起こります。よく虫歯菌とも言いますよね。また、歯周病も、細菌の感染が原因で発生する炎症性疾患です。
要するにどちらも、口の中にそれらの原因となる菌がいて、そのため不潔になりやすく、それが基で口臭が発生しやすくなるのです。
朝起きた時、口臭が起こりやすいのもそれと同様です。たとえ虫歯や歯周病などがなくとも、就寝中は、殺菌作用のある唾液の分泌が減少するため、口の中で菌が繁殖しやすいのです。もっと細かく言うと、唾液にはサラサラしたものとネバネバしたものの2種類があって、サラサラしたほうは就寝中はほとんど出なくなり、ネバネバしたほうは減少します。言い換えれば、ネバネバしたほうは（量は減るものの）就寝中でも出ているということです。寝ている間は、このネバネバした唾液に混ざって体の中の老廃物が分泌されるので、それをエサにして菌の増殖がさらに加速するのです。
これを100％防ぐことは困難ですが、まず、寝る前に歯を磨いて口の中を清潔に保つのは当然のことですよね。その際に使う歯磨き粉ですが、まさに朝起きた際の効果を実感出来ると謳ったものや、長時間効果が持続するというもの、口中のネバネバに対して特に効果があるというもの、などなど優れた商品がたくさんありますので、自分に合うものを選んで使用するのがいいのではないでしょうか。
また、口を開けて眠っている人（口呼吸の人）は口の中が乾いてしまうので、やはり菌が繁殖しやすくなりますから、なるべく口を閉じて鼻呼吸で眠るように心掛けることも大事かもしれません（といっても恐らく非常に難しいのですが、いびきがひどい人は鼻呼吸でなく口呼吸であることが多いので、これ（いびき）を改善することが口臭を抑えることに繋がる可能性はあります。また、鼻炎や鼻づまりなども口呼吸の原因になりますから、それらをしっかり治すことも重要です）。
一方、体臭のほうですが、寝ている間にかく汗が影響していることが多いようです。
就寝中に一晩でかく汗の量は、人によっても違いますし、もちろん温度によっても差はありますが、一般的にはコップ一杯程度、場合によっては300ml〜500mlと言われることもあります。500mlと言えば、自動販売機で売っているペットボトル一杯ですから、結構な量ですよね（寝ている間に、ペットボトル一杯分の水をジャバジャバかけられているところを想像すると・・・びちょびちょ状態じゃないですか！（笑））。
朝起きた際、コップ一杯の水を摂取するのが健康に良いと言われることがありますが、それは、寝ている間の発汗により足りなくなった水分を、補う意味もあるのです。
それはともかく、汗はそれを吸収した衣服などとも相俟って、やはり菌が繁殖する原因となります。就寝中で布団をかけている状態であればなおさら、蒸れてしまう状況が容易に想像出来ますよね。そしてそれがやはり、臭いの原因になる訳です。さらには、唾液の中に混ざって分泌されると上述した体の中の老廃物、これが、寝ている間にかく汗にも、同じように混ざって分泌されるのです。これで菌の繁殖が助長され、より臭くなるのです。
対策として、寝る前にお風呂にきちんと入って体を清潔に保つというのはもちろん大前提。そして、今や速乾性に優れた素材のパジャマや、吸湿性・通気性に優れた布団などがたくさん売っていますから、そういったものを活用するのも手かと思います。また、制汗剤を使ってみるのも一定の効果はあるでしょう（ちなみに制汗剤は、夜、肌がきれいな入浴直後に使うのが最も効果的なのだそうです）。
という訳で、「寝起きは臭い」というのは、このように臭くなる条件がいくつも揃ってしまう状況において、本当のことだったのです。
決して、過度に楽観的に捉えることを推奨するものではないですが、誰でも朝は臭くなるものだ、と考えれば、普段から体臭でお悩みの方も、少しは気が楽になるのではないでしょうか。
とはいえ、根本的な体臭改善でその度合いが低くなることは間違いないですから、そのための努力を、惜しむべきではないのです。
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