体臭にまつわるエピソード(その14)
(※とある既婚女性の手記です)
旦那が、全身にニンニクをまとって帰ってくることがある。
もちろん、本当に全身をニンニクに覆われて帰ってくる訳ではない。ニオイの話である。
旦那はよく、仕事帰りに一杯やってくる。そして常連客としてよく行く居酒屋の看板メニューに、ニンニクをふんだんに使った料理があるらしく、その店で飲んで帰ってきた旦那は本当に凄いニオイなのだ。
口から臭うだけではない。まさに、全身から臭ってくるようである。
ニンニクのニオイは毛穴から臭う、という話を聞いたことがあるが、まさにそれである。全身の毛穴という毛穴から、臭ってくる感じである。
で、ちなみに。
私はそれが、イヤでないのである。
旦那だから許せる、ということもあるのかもしれないし(これを友達に話したら、普通逆でしょ、旦那だから普通許せないもんでしょ、って言われたけど(笑))、元々私自身もニンニク料理が嫌いではない、ということもあるのかもしれない。
不思議なのは、自分でも気付かぬうちに、心のどこかでそのニオイを心待ちにしているような気持ちが芽生えつつあったということである。
中毒と言ったら言い過ぎかもしれないが・・・。ニオイというものは、本当に怖い。
そして、旦那から「今日は飲んで帰る」という連絡があると、例の居酒屋で飲んできて欲しい、そしてニンニクをまとって帰ってきて欲しい、などと考えてしまう自分は、もっと怖い。