体臭にまつわるエピソード（その20）
（※とある男性の手記（抜粋）です）
昨日もあったよ。例のドラマで。そういうシーン。
ストーカーが、ターゲットの家に設置された防犯カメラを巧みにかわしながら、玄関にある花壇を壊したり、車を傷つけたりするんだけど、それがだんだんエスカレートして、封筒に入れてあったお金を盗んだり、下駄箱の靴を隠したりし始めるの。そうそう、つまり、家人も気付かないうちに、いつの間にか家の中にまで侵入してるのね。
でもさ、おれは絶対無理だと思ったね。女房に臭いって言われてるから。そうそう、絶対に体臭が残っちゃうから（笑）。見つからないように侵入して、靴の片方だけ別の場所に置いておくとか、わざとそれとなく気付かれるような痕跡を残しつつ家人を恐怖のどん底に陥れるなんて芸当、絶対無理。ドラマの中では、犯人がほんの今さっきまでそこにいたようなシチュエーションだったけど、おれならニオイでバレて、すぐ捕まっちゃう（笑）。ほんとにそう思うんだよね。その辺、最近、とんと自信がないのよ。
この間も、仕事が早く終わったから、子どもに会えるのを楽しみにしながら家に帰ったら、女房と一緒に出掛けてるみたいで誰もいなかったのね。少し待っていたら、玄関の外でバタバタと帰ってくる気配がしたので、ちょっと驚かせてやろうと思って陰に隠れてたら、家に入ってくるなり子どもが「あれ？パパのニオイがする！」って。そしたら女房、「ほんとだ。どっかに隠れてるんじゃない？」って。もうね、興醒めどころか、ニオイのせいで一瞬にして100％見透かされちゃってるんだから、つくづく悲しいやら虚しいやら、自分の体臭が恨めしいやら、ですよ。
さすがにおれもさ、食事に気を遣ったり、風呂でも耳の後ろをよく洗ったりさ、あ、でも加齢臭って耳の後ろだけからニオうんじゃないんだってね、まあそれはいいとして、いろいろ対策みたいなことはやってるよ。ストレスが体臭に表れるって話も聞いたから、ストレス発散も心掛けてるし。あと、どんなに夜遅くなっても、風呂ではシャワーで済ませずに必ず湯船に入って、ゆっくりお湯に浸かって汗を流しながら、体内の汚いものを排出するイメージを繰り返すの。イメージは大事だよね。まぁそれはともあれだ。少しでも効果が表れてるといいんだけどなぁ・・・。
